参考情報:書評:子どもは40000回質問する(2/4)

第二回:そもそも好奇心とは? 

◆好奇心とは「個性」なのか?
あの子は好奇心が強いタイプ、といった言葉があるように好奇心の強さというのは個性のように捉えられることが多いと思います。「個性」であるから「性格」のように変化しにくい。そんなイメージを持たれる方もいるかもしれません。

しかし、それは誤解なのです。好奇心にまつわる学術研究が一致しているのは好奇心とは「個性」ではなく「状態」であるとみなしていることです。

つまり、環境によって好奇心は大きく左右されるのです。そして風船のようにほおっておくとしぼんでしまいます。これが先週の参考情報の末尾に好奇心には「労力」が必要だとかいた理由でもあります。

◆「好奇心」の3つの類型
(1)拡散的好奇心 ~知りたいという心のうずき~

赤ちゃんは生後二か月の時点で、様々な図柄を見せられると普段見慣れない形に注意が惹かれることが分かっています。また、幼児が押してはダメと言われたボタンが気になって仕方がなかったり、何か生き物がいたら触ったり口にいれようとする。

このような目新しいものすべてにひきつけられることを「拡散的好奇心」といいます。拡散的好奇心は探求心への第一歩です。未知の世界へと私たちを後押ししてくれるエネルギー源です。

しかし、この拡散的好奇心は知ることへの欲求を成熟させない限りは、ただの浅薄でなんの洞察も得られないまま興味の対象を変えるだけで、エネルギーと時間を浪費させかねません。

(2)知的好奇心 知識と理解を求める意欲
拡散的好奇心がうまく導かれ、知識と理解を求める意欲へと代わればそれは知的好奇心になります。知的好奇心は意識的に訓練しなければなかなか身につかないものです。

特に、検索して終わりの浅い知識ではなく新しい物事や概念・原理を「理解」するには「執着心」や「粘り強さ」が不可欠となります。

(3)共感的好奇心~他人の考えや感情を知りたい~
知的好奇心と同じくらい重要になるのが共感的好奇心です。これは他者の考えや感情を知りたいという感情です。

これは単なるうわさ好きや詮索好きとは異なります。うわさや詮索は他人の人生の表面的な事柄に向けられた拡散好奇心でしかありません。

共感的好奇心は、話している相手の立場に身を置き、さらには気持ちに寄り添おうとするときに発揮されます。他人がどんな仕事をしているのかが気になるのが拡散的好奇心で、なぜその仕事に打ち込んでいるのかその理由を知ろうとすることが共感的好奇心です。

◆好奇心の発達
知的好奇心と共感的好奇心は密接な関係にあります。好奇心とは極めて社会的な性質をもった心理だからです。私たちは赤ん坊の時から知らないことを他者から学ぼうとします。

赤ちゃんが親を見つめながら「何か」を指差すのは教えてほしいという訴えであり、応えられるとまたほかのものを指差し、無視されると問いかけるのをやめることが分かっています。

このような関係性は、家庭、学校、職場といわず私たちの人生のいたるところに存在します。好奇心は人から人へ伝わります。無関心も同様です。

自分は子どもたちには知的好奇心、共感的好奇心を持って育っていってほしいと願っています。そして、他でもない自分が知的好奇心・共感的好奇心をもって日々を生活できているか、子どもたちの問いかけにできるだけ応えられているかを日々自問自答しています。

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